現代社会では、冷え性を訴える人が年々増加しています。
ある調査では、個人差はあるものの、冷えを辛いと自覚している人の割合が、女性の半数~7割、男性でも1割近い存在することが報告されています。
しかし、冷えること自体は病気でないと考えがちになるため、それ程深刻には捉えられていないのが現状です。
その意味で、冷え性は国民の半数以上が抱える大きな問題ではあっても、上手く対処されていない症状の1つとも言えます。
ここでは冷え性についてをQ&Aでまとめてみました。
Q1 冷えとは何のこと?寒がりのこと?
A 手足の一部や全身が冷えてつらいと感じるのが冷え
普通のひとが寒いと感じない温度や寒さでも、寒さを敏感に強く感じる人が「寒がり」。
一方、普通の人が寒いと感じないような温度下でも、手足の指先や足、おなかなど体の一部や全身が常に冷たくて辛く感じるのが「冷えです」。
中には自分では冷えに気づいていなくても、冷えが原因となって、肩こりや腰痛、頭痛、不眠、手足のむくみ、だるさなどを起こしている場合もあるので注意が必要です。
Q2 冷えの原因はなんですか?
A 冷えの根本的な原因は「血流」の悪さです
血流と体温は密接な関係にあり、生活環境や食生活の偏り、運動不足などで血行が悪くなると、本来、体の隅々まで運ばれるはずの熱エネルギーが届けられなくなり、体が冷えます。
また、太りたくないからと食事量が少ない人は、食事から十分な熱エネルギーが作られず冷えの原因になる場合もあります。
ストレスで緊張が続いている人や、女性の場合は月経などで血流が滞りやすくなることも冷えの原因になることもあります
冷えの2大原因
熱がうまく作れない
熱を作る働きをする筋肉が少なく、熱エネルギーを十分生み出せなかったり、熱エネルギーの元となる植物を十分にとっていないと、熱を作り出すことができず冷えます
熱がうまく配れない
緊張して交感神経が優位になると、血管が収縮し血流が悪くなり、熱を全身に配れなくなります。
リラックスして副交感神経が優位になると血管が広がって血流がよくなり、熱が全身に巡ります
Q3 冷えと低体温は同じ?違う ?
A 低体温は、冷えの症状の一種です
一般的に、体の表面温度が36℃以下あるいは深部体温が37度以下なら低体温と言っていいでしょう。
低体温では、血流が悪くなり、冷えの症状を起こすことが多くなります。
といっても、西洋医学的に言う「低体温症」は体の深部体温が35℃以下(わきの下では34℃以下)のことをいい、冷えとの関連で言われる「低体温」とは違います。
低体温症は例えば雪山で遭難したときなど、特殊な場合に起こることが多く、命に係わる危険性があります。
ちなみに、冷えには「体温が何度以下なら冷え」といった定義はありません。
7割近い人が体温のはかり方を間違っている?
あなたは体温を測るとき、体温計をどんな角度で脇に差し込んでいますか?
斜め上から?真横から?それとも下から?
正解は「斜め下から」。
温度の高い脇のくぼみの中央に体温計の先を軽く押し上げるようにはさみ、脇をしっかり閉じて測りましょう。
Q4 すぐ汗をかくのに冷え性です。どうして?
A 自律神経が乱れていると考えられます
人間は体内の細胞や器官が最も効率よく働く38℃前後(深部体温。わきの下で37℃)に体温を保とうとします。
そのため、運動などで体温が上がると、体は血管を広げて皮膚の熱を逃したり、汗をかいて熱を下げようとします。
健康な人ならそれでバランスがとれますが、自律神経が乱れ、体温調整機能が低下していると、汗をかいたりし得たり繰り返します。
また下半身は冷たいのに上半身は熱く感じる”冷えのぼせ”も自律神経が乱れて血流が上半身に集中するため起こります。
Q5 最近、冷えの人が多くなってきている?
A 昔に比べて増えてきています
様々な調査で、8割近い女性が冷えを感じているといわれています。
女性に冷えが多いのは、男性より熱を生み出す筋肉が薄かったり、ホルモンバランスの乱れによって自律神経の不調を起こしやすいからです。
近年は、男子の冷えも増加しています。
便利になって、からだを動かすことが減ったり、ストレスの増加で、自律神経の不調を起こしやすくなり、血流が悪くなったためと考えられます。
若い世代ほど冷えを感じている人が多いのは、ストレスへの耐性の低さも影響していると考えられます。
Q6 冷えを解消するにはどうとうすればいい?
A 1.体を冷やさない
2.体を内から温める
3.体を外から温める
4.冷やすものを摂らない
5.熱を作れる体になる
です。
血流をよくすることが冷えの改善には最も大切です。
そのためには「体を冷やさない」、「体の内から温める」、「体を外から温める」、「体を冷やすものを摂らない」、「熱を作れる体にする」というのが基本です。
体を冷やさない服装や、熱を逃がさない着方の工夫はもちろん、体を冷やすものを摂らず、温かいものを食べたり飲んだりして体を内から温めることも大切です。
また、筋肉を増やし、熱を作ることができる体にすることも、忘れがちですが大事なポイントです。 階段を使う、しゃがんだり立ったりするときの動きを大きくしたりゆっくり行うなど、ちょっとした心がけで、軽い運動と同じような効果が得られます。
また、入浴はシャワーより温浴を。
38~40℃のぬるめのお風呂に10分~30分ないれば、体温を上げる副交感神経が活発になります。
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